暁さんもご存知かと思いますが、事務方から、危険の多い仕事なのだから遺書や遺言になっても良いようなものを残しておけと通告されました。
ですが、この仕事に就くことになった時点で自分も家族も最悪の事があり得ると覚悟をしていますし、特にこれと言って改めて残しておきたい言葉も思いつきません。
なので、ご迷惑かとは思いましたが、暁さんへ向けて書かせて頂くことにしました。
データだと消失や偽造の恐れがある為、物理的に肉筆が残る形式で作成するようにということでしたが、手書きでサイン以外の文字を書くのは随分と久し振りです。出来る限り丁寧に書いているつもりですが、手紙自体誰かへ宛てて書いた記憶もないので、お見苦しいところがあったらすみません。
本題になりますが、暁さんがこの文書を読んでいるということは、自分の力が及ばず任務の遂行が敵わなかったということだと思います。暁さんが判断ミスをするとも思えないので、恐らく自分が勝手に判断し失敗をしたのでしょう。
どうか、自分の死を、制御しきれなかった己の責任だなどと言って泥を被ろうとしないでください。自分が死んだのはあくまでも自分のせいなのです。
暁さんの隣に立てるよう精進を重ねてきたつもりでしたが、このような形で結果が出てしまった以上、自分が驕っていたのだと思います。
暁さんの足を引っ張ってしまう結果となり、本当に申し訳ありません。
おこがましいかも知れませんが、次に選ばれるバディが暁さんを支えてくれることを願います。
暁さんとバディになることが出来て、自分は本当に幸せでした。
今まで本当にありがとうございました。
████/██/██
Licht Reise
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